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国会議員
早稲田大学 教育学部 社会科学専修
衆議院議員
下村 博文 (しもむら はくぶん)氏

2009年05月東進タイムズ掲載

誰でも等しく教育を受けられる社会をつくりたい

私が政治家への道を志したのは、小学3年生のときに父を交通事故で亡くしたことが大きなきっかけでした。

当時、母は女手ひとつで、パートをしながら私と5歳と1歳の弟を育ててくれました。母の収入は、育ち盛りの私たち三兄弟を充分に育てるには程遠い金額だったので、畑で野菜を作る自給自足の生活でしたね。私も、小学6年生のときから耕運機を動かして畑仕事を手伝っていました。

お小遣いがほとんどもらえなかった私にとって、図書館で借りた本を読むことが一番の楽しみでした。常にぎりぎりの貧しい生活だったので、家には教科書以外の本は何もなかったのです。風邪を引いて寝込んだ私に母が、こんなときくらいはと「何か食べたいものはある?」と聞いたとき、即座に「食べものはいいから、本が欲しい」とお願いしたこともありました。

そのような経済状況だったにもかかわらず、私が高校、大学へと無事に進学できたのは、ちょうど私が高校1年のときにスタートした「交通遺児育英会」と、「日本育英会」から奨学金をもらうことができたからです。奨学金制度のおかげで安心して教育を受けられた私は、「政治家になって、社会に恩返しをしたい」「誰でも等しく教育などの権利が保障される社会の仕組みづくりをしたい」と、決意を固めました。

世の中を変えられる究極的な職業

早稲田大に入学した私は、生活費を稼ぐために、人生勉強も兼ねていろいろなアルバイトを経験しました。そのときに行った家庭教師の経験は、現在の政治活動の礎になっています。

生徒の中で一番印象に残っているのは、当時私立中学受験を控えていた小学6年生の少年です。それまでいくつもの塾や予備校に通っても成績が伸びなかったという少年は、「僕は頭が悪いから」とすっかり自信を失っていました。よく話を聞いてみると、成績が伸びない大きな理由は、父親に強制されて嫌々勉強をしているためだとわかりました。

そこで私は、少年が自ら進んで勉強できるようにと「発想の転換」を思いつきました。一つは、行きたい学校を明確にして、目標を持ちながら勉強させること。そしてもう一つは、自信を持たせることです。問題が解けないときも、私は少しヒントを与えるだけにして徹底的に自分でやらせることにしました。そして問題が解けたときには「ほら、ちゃんと解けたじゃないか。頭が悪いなんてことはないんだよ」と褒めたのです。すると次第に自信を取り戻し、勉強の楽しさを知った少年は、模試で3500番だった成績が8番にまで上昇。見事に志望校に合格しました。

そもそも頭の良し悪しなどは無く、勉強はやり方が大切だ。子どもはやる気さえ出ればどんどん成績が上がり、人間的にも成長していく――そう確信した私は、教育というものに一層興味を持ちました。

母子家庭で教育を当たり前に受けることすら苦労した少年時代、そして教え子たちと接することで教育の重要性を実感した青年時代。これらの経験から私は、「教育改革」を信念に、教育のあるべき姿を模索するために政治家への道を歩み出しました。

私が政治家として働き始めて、今年でちょうど20年になります。特に国会議員になってからというもの、世界中いろいろな場所に出かけ、広い視野で「社会を、教育をどう良くしていくか」と考えることができるようになりました。この不透明な時代の中で、先を見据えながら自らの力で社会の問題点や不合理を解決していく政治家ほどおもしろく、やりがいのある仕事はないとさえ思っています。世の中を変えることができる、究極的な職業だと思います。

政治は、人を幸せにするためにある

私のキャッチフレーズは、「人を幸せにする仕事、それが政治だ」。そんな私の今後の目標は、「日本の新たな時代を作りたい」ということです。

アメリカの金融危機、地球温暖化による環境破壊などが大きな問題になっている昨今、18世紀の産業革命から続いてきた西洋の近代文明は、いまや終焉を迎えつつあります。そして歴史的に見ると、これからの文明は、日本を中心とする東アジアへと移っていくのではないかと私は考えます。

従来のような、地球資源を食いつぶして破壊する文明ではなく、これからは日本古来より伝わる「アニミズム」(すべてのものに生命が宿るという思想)を大切にした、地球環境との共生ができる優しい文明を実現したい。そのために私は、日本ならではの良さを活かした、世界に一層貢献できるような国づくりに力を入れて取り組んでいきたいと思っています。

最後に私から皆さんにぜひお伝えしたいのは、日本の未来のためにも、若いうちにさまざまなことを積極的に学んでほしい、ということです。これから皆さんが経験する受験勉強は決してゴールではなく、無限に広がる自分のチャンスや可能性を活かすための良い機会であり、出発点です。自身の将来を見据えながら受験勉強を乗り越え、世界で活躍する人材になることを心から期待しています!

※文中敬称略。所属・役職等は取材当時のものです。
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