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メディア事業開発
武蔵野美術大学 造形学部 視覚伝達デザイン学科
凸版印刷株式会社 情報コミュニケーション事業本部 メディア事業開発本部 新事業開発部 担当プロデューサー
溝口 暢子 (みぞぐち のぶこ)氏

2009年12月東進タイムズ掲載

イベント・雑誌・ウェブを掛け合わせ 原宿スタイルコレクションを「個性発見の場」へと発展させたい

クロスメディアを駆使して 原宿のブランド力を世界へ発信する

 私が現在手掛けているのは、「原宿スタイルコレクション」というファッションイベントの企画とプロデュースです。「印刷会社がファッションイベント?」と驚かれる方も多いかもしれません。しかし、私たち印刷会社の持つノウハウ(出版物、Web制作、店頭販売促進ツールなど)を生かして、ほかの企業と協力して強みを持ち合わせることで、これまで世の中になかった全く新 しいものを生み出すことにも積極的に取り組んでいます。原宿を舞台に美容業界を活性化する。そのため単発的なイベントに留まらず、周辺ビジネスの拡大・育成も視野に 入れた展開となります。

 このプロジェクトは、日本メイクアップ技術検定協会(JMA)から受けたご相談が始まりでした。美容を学ぶ学生だけでなく、もっと幅広い層の若い世代に、美容業界をアピールできるイベントを 開催してみたいという要望をお持ちでした。それに対して、「原宿」をキーワードにしたカルチャーエンターテインメントの立ち上げをご提案したのがきっかけです。

 開催にあたっては、さまざまなツール(イベントや雑誌、公式ブック、携帯コンテンツやWebサイトなどを組み合わせる)で「原宿スタイルコレクション」をアピールしていく「クロスメディア」という手法を 用いました。「クロスメディア」とは、単に複数のメディアで宣伝するということではありません。例えば、バッグのメーカーが、新しいデザインのバッグを開発したとします。その際に、①雑誌の誌面 で告知をする②誌面に印刷したQRコードから特設サイトにアクセスしてもらう③読者に実際にお店へ足を運んでもらう、というような仕掛けを施す。大まかに言えば、クロスメディアとは、そうした 道順を作ってお客様に案内していくということです。

「志」を共有する企業が集結したことで実現したプロジェクト

 ただしこれは、社内でも前例のないプロジェクトでした。ですから、プロジェクトに協力してもらうスポンサーを回っても、具体的にイメージを見せることができませんでした。こちらが提示するコンセプトや企画の内容を想像して理解していただくしかないわけです。例えば、会場の図面が出来上がっていない段階で、ファッションショーの具体的なイメージを得意先から聞かれて、慌てて製作サイドに図面を作ってもらったこともありました。このプロジェクトの志に賛同してもらうパートナーを集めるプロセスが、一番苦労しましたね。

 ですが最終的に、協賛スポンサーおよび協力パートナーとして参加していただいた企業は26社にもいたりました。人気ファッション誌の8誌がイベントに名を連ねるなど、「原宿」「個性の世界発信」といったテーマに対して、たくさんの企業に共感してもらえました。これが、単にお金儲けや、若者を集めて消費させることを目的としたイベントだったとしたら、これほど多くの人々の賛同は得ら れなかったと思います。原宿という場所が持っているポテンシャル(潜在能力)をさらに引き出すことで新しいムーブメント※を創出したい――そうした「志」を共有した企業に集まっていただいたこと で実現したプロジェクトだといえます。

 イベント当日は慌しく、会場の様子をゆっくりと観察する時間は少なかったのですが、来場してくれた6400名のお客様の笑顔を見たときは感無量でした。そして、今 回ご一緒したパートナー企業、あるいはイベントの演出家の方々はとても優秀で魅力的な人たちばかりでした。そうした人たちと一緒に、大きなイベントを作り上げることができたことをとても誇りに感じています。

 *ムーブメント…政治、社会、芸術上などの運動

自分の個性を発信する経験が必ず将来の糧になる

 「原宿スタイルコレクション」は、来年3月に第2回を開催する予定です。第1回ではまだイベントとしての個性を出し切れなかった部分がありますので、次回はさらにブラッシュアップして、従来 には無かったイベントの姿を模索していきたいと思います。例えば、来場者がずっと着席して鑑賞するコンサート形式ではなく、フェスティバル形式にして、ショーだけでなくブースや会場外でのトー クイベントやショッピング、アート作品の展示なども楽しんでもらえるような祭典にしようということも考えています。さらに、一般の人もブースの出展ができたり、ショーのモデルやスタイリストを 務めたりできるような、原宿らしさを追究した参加型のイベントを目指していきます。私たち企画する側と一緒になって作っているという感覚を、来場者の方にも感じてもらえることができたらすごくおもしろいイベントになると思いますね。

 最近では読者モデルが人気を集めたり、一般の若者がプロのスタイリスト顔負けのセンスを発揮したりすることも珍しくありません。「東進タイムズ」を読んでいる高校生の皆さんも、ぜひ自分で何 かを発信して形にするトレーニングを積んでいってほしいと思います。高校生だからといって臆することなく、自分の好きなこと、あるいは自分の持っている技術を誰かに評価してもらう機会を作ったほ うがいいですね。「高校生だから」「まだ学生だから」という理由で諦めていたことも、実際に行動に移してみたら可能だった、ということも少なくないはずです。学校という枠から一歩踏み出して、プロになったつもりで、社会の中で自分自身の個性をどんどん発信してもらいたいですね。そうしたチャレンジから得られるものは、きっと大きいはずですよ。

 「印刷」という歴史ある情報の伝達技術を強みに持つ企業で働いていることで、情報を発信して多くの人とコミュニケーションが取れ、新たな創造につながっていく可能性を実感しています。

※文中敬称略。所属・役職等は取材当時のものです。

	
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