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パッケージ開発
日本大学 理工学部
凸版印刷株式会社 生活環境事業本部 生活環境製造事業部 技術開発本部 商品開発部
大塚 浩之 (おおつか ひろゆき)氏

2010年01月東進タイムズ掲載

自ら手がけたパッケージで人々を幸せにしたい

身の回りにあるモノすべての“パッケージ”開発を担当

 私の勤める凸版印刷の業務は、「印刷」で培ってきたノウハウを生かし、出版物やポスターなどの印刷物やスーパーの店頭などに置かれる商品のパッケージ、テレビやパソコンなどの液晶ディスプレイに使用するカラーフィルタの開発など多岐に渡ります。

 その中で私の担当している仕事は、スーパーやコンビニエンスストア、ドラッグストアで販売されているシャンプーや医薬品など日用品のパッケージを開発することです。私たちの身の回りには、実に多種多様なデザインの容器があります。それらには、内容物や用途などによってさまざまな工夫が凝らされているのです。

 パッケージの素材は、大きく分けると「紙」「プラスチック」「金属」の3つに分類されます。私が携わっているのは、その中でも「プラスチック」のフィルムを用いたパッケージの開発です。例えば、シャンプーの詰め替え容器や、カップ焼きそばの湯切りのフタ、点滴などに使用する輸液バッグなどが挙げられます。また最近では、ペットボトルに巻くシュリンクラベル※の開発も手掛けました。

 日用品というのは、企業間の競争も激しいですし、商品の入れ替わるサイクルも早いんです。コンビニの場合、商品が売れなければ一週間ほどで店頭から姿を消してしまうこともあります。そのため、他社の商品との差別化は非常に重要であり、必然的に、パッケージの重要度も高くなります。例えば詰め替え容器であれば、注ぎ口の形状を変えてもっと簡単に開けられるようにしたり、パッケージの材料をうまく組み合わせて、より破れにくくしたりする工夫を施します。

 一つの製品が完成にたどり着くまでは、試行錯誤の連続です。毎日のようにサンプルを作っては、強度や使い勝手の試験を繰り返します。万が一、商品化してから問題が生じたら大変ですからね。一方で、商品サイクルの早さに対応するために仕事のスピードも求められます。製品の企画を立案してから、3カ月あるいは半年ぐらいで商品化するケースがほとんどです。常に10件以上の案件を抱えていますので、スピーディかつ確実に課題に取り組んでいく必要があります。

 ※シュリンクラベル…どんな容器にもぴったりとフィットするフィルムのラベル

入社3年目インドネシアの工場での達成感

 これまでの仕事で一番印象に残っているのは、入社3年目に取り組んだインドネシアの工場での仕事です。日本のあるメーカーから、「四角い形で注ぎ口がない既存のボディソープのパッケージに、新たに注ぎ口をつけたい」という依頼を受けて、開発がスタートしました。製品化にいたるまでには、もちろんいろいろな苦労があります。現地スタッフとの言葉の壁に加え、仕事をスムーズに進める上でクリアしなければならないハードルがいくつもありました。当然ですが、現地の工場で働くスタッフは今まで自分たちが築き上げてきた仕事の進め方に、誇りを持っています。そこへ、入社して間もない年下の私が日本からやってきて新しい提案をしても、なかなか受け入れてもらえません。そうはいっても、インドネシアの工場で初めて扱うパッケージでしたので、製造する上での注意点や管理方法を徹底する必要がありました。

 そこで私は、彼らの主張する製造方法と私の提案する方法の両方で、実際に試作してみることにしたのです。その試作品を現地のスタッフに見てもらいました。そのように一つひとつ実証した上で、お互いに納得するまでとことん意見をぶつけ合い、モノづくりを進めていきました。同じ作業着を着て、食事を共にし、毎日ひざを突き合わせてコミュニケーションを取っていくうちに、現地のスタッフに溶け込めるようになり、結果として満足のいくパッケージが出来上がりました。

 先日、工場を再訪した際はスタッフに笑顔で迎えられ、「君がいるんだったら、次の仕事も喜んで引き受けるよ」と言ってもらうことができました。そのときは、本当に嬉しかったですね。

 インドネシアで取り組んだ仕事の達成感は格別なものがあったため、今後も海外での仕事に積極的に取り組んでいきたいと思っています。そのうちに、ロンドンの有名な商業地区であるピカデリーサーカスの店舗に、自分の手がけた製品が置かれることもあるかもしれない。日本国内はもちろんですが、世界中の人々の生活を豊かに、そして幸せにするお手伝いをしたいですね。

開発の仕事に必要なのは好奇心・独創性・発想力

 そもそも私がパッケージ開発の仕事を選んだ理由は、お菓子箱を作りたかったからなんです。例えば、小さな子どもは誰でも、お菓子をもらうときはすごく幸せそうな顔をしますよね。しかもそのお菓子が入っている箱が素敵だったら、自分の宝物を入れて大切にとっておくこともあると思うんです。私も、将来自分の子どもに、自分の作ったものを使ってもらえたら幸せだと思ったことがきっかけです。

 パッケージ開発の仕事に関して大切なのは、好奇心・独創性・発想力だと思っています。私は大学で機械工学を専攻していましたが、現在の部署にいる多くのスタッフは化学系や材料系の分野出身です。仕事上で化学に関する専門用語を使うことが多いため、わからないことはその都度勉強しています。でも、大学時代に勉強したことが全く関係なかったかといえば、決してそんなことはありません。大学時代に積み上げた研究開発の課題解決までにいたる修練は、今でも私の財産です。もしかすると、違う分野を学んでいたからこそ多角的に知識を活用し、いろいろな側面から物事を見つめることができるのかもしれません。そうすることによって、やがて仕事の幅も、社会人としての幅も広がるのではないかと考えています。

※文中敬称略。所属・役職等は取材当時のものです。
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