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組織・人事コンサルタント
獨協大学 経済学部
株式会社 リンク アンド モチベーション エントリーマネジメントカンパニー シニアマネジャー
山口 巳貴 (やまぐち みき)氏

2006年11月東進タイムズ掲載

一人ひとりのモチベーションを高めて 熱い日本を創りたい

どこに問題があるのかを診断する

コンサルティングという仕事は形として見えにくいですし、企業によっても得意分野が異なるので、想像しづらいのではないでしょうか。リンクアンドモチベーション(以下LMI)では個人の「モチベーション」を高めながら組織全体の成果につなげていくためのコンサルティング(課題解決)を行っています。具体的には企業とそこで働く人々が「相互理解」の関係を創るための採用活動、あるいは教育、社員が気持ちよく働けるような評価・人事の制度づくり、企業が目指すビジョンを言語化して企風土の改革を図るなど、多岐にわたる領域で企業をサポートしています。

現在、私は企業の採用活動の領域でクライアント(得意先・顧客)のコンサルティングを行っています。例えば、意欲ある優秀な人材を採用するために、どのようなプログラムやコンテンツを提供すべきかを考え、提案しています。

多くの企業では、毎年定期的に大学新卒者を採用しています。企業の規模によって採用人数は異なりますが、数人から数百人までさまざまです。一般的には大学3年生の秋頃から就職活動を開始して、大学4年生の夏頃までに内定を獲得する大学生が多いですね。企業にとっての経営資源とは「人・物・金・時間」といわれますが、そのうちの「人」、つまり人材は、企業が成長していくにあたり最も重要な要素です。

私たちは、まず企業からの依頼を受けると、その企業の哲学や経営戦略を知ることから始めます。次に、業界の動向やライバル企業を把握し、クライアント以上の知識を蓄えていく。それらの準備を行ってから、企業の採用活動における問題点を把握するための調査を行います。

まずは、採用活動の初期段階にあたる人材募集告知部分で、その企業がこれまで何をしてきたのか。その結果、どれくらい採用できたのかをヒアリングします。一般的には、就職サイトでエントリーした学生の約30%が企業説明会に足を運ぶといわれています。その説明会に人が集まらなかったら、募集方法や就職サイトに公開している企業の紹介内容に問題がある可能性が高い。次に、説明会では業務内容をどのように説明したのか、学生の反応はどうだったのかをヒアリングします。どんなに素晴らしい企業でも、ただ企業案内を棒読みするような説明会では、学生にその魅力は伝わりません。この診断をしっかりと行い、問題点を見極めてから問題解決のプログラムをつくっていきます。

ちっぽけな価値観が壊れた出会い

 そもそも人事コンサルタントとして仕事をするきっかけには、大学時代の就職活動の衝撃的な事件が影響しています。大学生の頃は、「絶対に営業はやりたくない!」って頑(かたく)なに思っていたんです。しかし就職活動中に、ある企業の面接を受けたとき。まず、そこの面接官に面食らいましたね。とにかく学生の興味を引きつける話し方で、とてもおもしろい。活き活きとしてパワーに溢れている。素直に「こんな人たちに囲まれて一緒に仕事がしたい!」と思ったんです。営業をやりたくないという気持ちも吹き飛んでしまうくらいに魅力的な人が多くて、結局その企業に入社を決めました。そして、驚くことにあんなに嫌だった営業なのに、賞を頂くほど打ち込んで楽しむことができたんです。

 そこで思ったのは、大学生だった頃の私の価値観なんて、本当にちっぽけだったということでした。同じように就職活動を行う多くの学生は、自分だけの価値観に縛られて可能性を狭めてはいないだろうか。おもしろいことをしている企業は、想像以上にたくさんあることを知るべきだと思いました。

 そんな想いを抱いていたので、12回の異動願いの末に、かねて希望していた人事部へ移り、採用を担当しました。その後、LMIに活動の場を移し、人事コンサルタントとして仕事を開始したんです。

同じプログラムは二つと存在しない

 企業によって抱えている問題点はそれぞれ異なるため、二つとして同じ改善プログラムは存在しません。ですから、その企業に最適な方法を考え、提案することが求められます。

 私が担当したある企業では、企業としての知名度は高かったのですが、業務内容が学生には想像しにくいものでした。どうすれば学生に事業を理解してもらえるのかを考え抜いた結果、会社のビジネスモデルを『人生ゲーム』のようにボードゲーム化するという考えに至りました。学生がゲームを進めていくと、企業の収益が上がる構造や成功するためのプロセスがわかる仕組みです。

 別の企業では、営業職を募集しても、なかなか人材が集まらないという問題を抱えていました。営業という言葉のイメージからか、学生は飛び込み営業や何かを売るだけの仕事を想像していたようです。

 そこで、営業という仕事の本質を理解してもらうためのグループワークを行いました。まず、学生たちを数人のグループに分け、あるお客様の悩みを解決するために、答えの材料となる情報を集めるという課題に取り組ませます。制限時間内に必要な情報を集めるためには、チームワークと必要な情報を見極める判断力、そして情報を獲得する実行力が必要とされます。最終的に300以上の情報を集めなければ答えは導き出せないのですが、ほとんどのグループは、お客様への質問項目を20くらいしか集めることができず、300の情報から成り立つ答えにはなかなか至りません。

 最後に、この一連のすべてが「営業」という仕事であることを明かします。営業するということは、本当にお客様のためを思い、問題を丁寧にヒアリングして目に見えない課題を発見していくという行為なんです。このグループワークを通じて、学生自身が営業という仕事の素晴らしさを感じ、視野を広げてほしいと思って提案したんです。

 どの企業に対してもよりよいアイデアを考えながら、毎回どっぷりつかって仕事をしていますよ(笑)。ときには「これが正しい」「それでは、絶対に伝わりません!」と、クライアントと意見が食い違うこともあります。ですから、腹を割って話すためにも、早期に企業との信頼関係を構築することが大切です。話し方は丁寧か、話の筋は通っているか。そうした基本的なことが積み重ねられて、初めてクライアントからの信頼が得られるのだと思います。

 そして何よりも嬉しいのは、信頼関係を築き上げることができた企業担当者からの、喜びの声です。「お陰で優秀な人材が採用できた」という声や笑顔を頂けると、クライアントの期待に応えることができたことで大きな喜びを感じます。

モチベーションエンジニアリングという仕事

 LMIではコンサルティングという言葉を使わずに、モチベーションエンジニアリングと呼んでいます。元気のある会社創りに欠かせないのは、まず社員一人ひとりのモチベーションを高く上げることです。そして、社員同士のモチベーションをリンクさせ合って元気のいい組織をつくります。高いモチベーションを持った人の集まる組織が、組織戦略とリンクしたときに、その企業の力が最大限発揮されると考えています。ですから、私たちは、一人ひとりのモチベーションを高めるエンジニアなんです。その結果、日本全体が明るく活気のある社会になれば、これ以上の喜びはありません。

※文中敬称略。所属・役職等は取材当時のものです。
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