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弁護士
慶應義塾大学法学部法律学科
みのり総合法律事務所 弁護士
川井 慎司 (かわい しんじ)氏

2006年04月東進タイムズ掲載

「公正な判断」のために尽くすことが、弁護士としての大事な役割です

ひとつとして同じ裁判はない

 私は、弁護士になって4年目です。ようやくひととおりの仕事を把握して、まだまだこれからというところですね。

 これまででいちばん印象に残っているのは、私もやはり最初に国選弁護人として担当した覚せい剤事件ですね。覚せい剤事件は、覚せい剤を使用した証拠である尿検査の鑑定書があるし、供述調書もあるので、比較的簡単な事件として新人に割り振られることが多いのです。私自身、司法研修中に覚せい剤事件を何十件と見ていて、「簡単だな、あんな感じでやればいいんだ」なんて思っていました。

 ところが、いざ自分が担当になってみると、何をどうやっていいか、まるでわからない。法廷で裁判官に「弁護人、どうですか」と聞かれても、とっさに何も言えなかったんです。

 そこで初めて、同じ覚せい剤事件でも、一人一人の事情はまったく違うし、ひとくくりにはできないことに気づきました。遊び半分で手を出した人もいるし、仕事で疲れ果ててついついという人もいる。常習もいれば初犯もいる。年齢もさまざま。そんな当たり前のことが接見や裁判資料を通じてよくわかり、「同じように見えても、同じ裁判はひとつもないんだ」と反省しました。それ以降は、一件一件、心を込めて取り組むようになりました。

弁護士として、言葉の重みを実感する日々

 「担当する被告人の刑が軽くなったほうが、弁護士としては嬉しいですよね」、こうおっしゃる方もいるかもしれませんね。でも、私自身、「刑を軽くしたい」という意識はないんです。

 以前、弁護士の先輩が「裁判とは、公正な判決を決めるためのもの。弁護士だからといって減刑を望むのではなく、その人にとっていちばんいい処分を望むことが大切」とおっしゃっていて、はっとしたことがあります。刑の軽い重いはさしたる問題ではなく、加害者が反省し、被害者も納得できるような適切な判決を、検察官と弁護士、そして裁判官が協力して行う。その共同作業に私も参加しているんだという意識で取り組んでいます。

 弁護士という職業に就いていると、私よりもずっと年上で経験豊富な方々も、私の意見に真摯に耳を傾けてくださいます。弁護士の肩書きを背負った自分の言葉の重みを実感する毎日です。それだけにとても責任重大ですが、だからこそやりがいのある仕事だと思います。

※文中敬称略。所属・役職等は取材当時のものです。
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