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戦略コンサルタント
立命館大学 理工学部
株式会社 野村総合研究所 事業戦略コンサルティング二部 コーポレート・ファイナンス・グループ グループマネージャー
太田 一郎 (おおた いちろう)氏

2007年08月東進タイムズ掲載

最後まで諦めない心が企業を再生させる

戦略を立案し、軌道に乗せることが私たちの役目

 コンサルタントになる前は、11年間銀行に勤務していました。上場企業の渉外業務を担当していたのですが、私が銀行員として提案できるのは、企業の経営における「財務」の分野だけでした。今思えば、限られた分野の仕事ですね。「財務状況を改善するためにこうしましょう」と最高の提案をしたとしても、そもそも企業全体のごく一部の話。「もっと企業の経営に関わりたい」という気持ちが強くなり、企業の全体を見渡せて成長へと導くことのできるコンサルティング業務に興味を抱くようになりました。当時誰もやっていなかったM&A(※1)に挑戦したい。自分がどこまでいけるかを試したい。その思いで銀行を退職し、コンサルティング業界へ進みました。

 現在は、事業戦略コンサルティング二部のコーポレート・ファイナンス・グループに所属し、業績が伸び悩む事業や企業の経営改革や企業の成長戦略の観点からM&Aを推進したり、またグループマネージャーとして13名のメンバーの案件を統括したりするのが主な業務内容です。

 企業再生やM&A推進のために、必要な資質はゴールイメージをもち、それに向かう信念と行動力です。そのために何が必要かを十分に考察し必要であれば、企業自体の規模を小さくし、阻害要因をすべて排除する。そして、回復へ向けてのスタート地点に立たせることが第一のステップになることもあります。

 これまで企業再生は何十件も手がけていますが、現在ではどの企業も、株価が大きく回復しています。戦略を立案し、実際にそれを動かしていく。計画を立てるだけではなく、実行する能力がコンサルタントには求められるのです。

※1 M&A……企業の合併・買収

倒産寸前の企業を再生させるまで

 私たちのグループは、「ある事業の長所をどう活かしたらよいか」という視点でコンサルティングをしています。「この会社のこの事業が素晴らしい。しかし、会社全体の業績が悪化したために、その事業までつぶしてしまうのはもったいない。その事業をいかに残して活かすか」という発想です。

 以前担当した企業の中に、さまざまな事業に莫大に投資して、倒産寸前まで追い込まれたところがありました。その企業はビルのメンテナンス事業が強みだったので、その事業だけを活かしていこうと提案しました。ビルの資産を証券化(※2)し負債の圧縮を行い、証券化した資産のメンテナンス事業を受託するビジネスモデル(※3)を構築し、さらに各金融機関から多くの金融支援を要請して、プロジェクトは大成功に終わりました。その後、企業は見事に再生し、証券化したビルを買い戻せるまでに回復しました。

 「企業の命を助ける」という使命を全うすることを目的とした場合、その目的遂行のために手段を選んでいる余裕はありません。したがって熱のこもった強い口調で討論してしまうこともあります。相手が企業のトップであろうが一社員であろうが全く関係ありません。日々、真剣勝負で臨んでいます。

※2 証券化……債権を売買・流通しやすくするために、財産法上の権利や義務について書面の形態にすること、事実上の資産の売却。
※3 ビジネスモデル……利益を生み出すビジネスの仕組み。

真のコミュニケーション能力を身につけるために

 私の部下は皆、優秀で個性豊かです。入社5年目くらいの社員でも、当社の根幹である戦略に携わり、韓国などアジアの企業を相手にグローバルに活躍しています。また、それぞれが「自分はこうだ!」という主張を持っている。個性をいかに活かし、グループ全体でどう力を合わせていくか。ベクトルの方向性を定めるためには、メンバーの業務についてある程度「型」を守る必要があります。その作業は、マネージャーとしての醍醐味でもありますね。人を動かすためにはまずは自分でやってみせること。私自身、日頃から「有言実行」を心がけています。企業再生からM&Aへ、そして今後はグローバルなM&Aプロデューサーとして欧米の投資銀行と協力しながら更なるステップアップを試みようと思います。

 高校生の皆さんには、一人の人間として「信念」を持ってほしいと思います。信念を持てばそれが長所になりその長所が短所を補うことになると思うのです。私も、「やってできないことはない」という信念があります。仕事はもちろん、人生のすべてにおいてです。

そして、徹底的に「遊ぶ」こと。その際、一人ではなく、人とコミュニケーションをとりながら遊ぶことが重要です。そうすると、遊びながら人に対してどういう振る舞いをすればよいか学ぶことができます。このコミュニケーション能力が、今の若い人たちが苦手としがちな部分かもしれません。コミュニケーションをとる中で、自分のポジジョンを知る。「自分には何が求められているのか」という立ち位置を知ることで、自分を見失わず基盤がしっかりする。すると、どんなプレッシャーにも打ち勝つことができます。その中で、どう自分の能力を発揮していくかが大事だと思います。

※文中敬称略。所属・役職等は取材当時のものです。
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