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ITコンサルタント
青山学院大学 理工学部 電気電子工学科
アイ・ビー・エム ビジネスコンサルティング サービス株式会社 金融事業本部 バリュー・デリバリー・センター 戦略コンピテンシー部 シニア マネージング コンサルタント
村中 剛志 (むらなか たけし)氏

2008年12月東進タイムズ掲載

世の中の効率化をサポートする縁の下の力持ち

IT業界というと、高校生の皆さんはどのような仕事をイメージされるでしょうか?コンピュータやサーバーなどハードウェアの開発やソフトウェアの開発でしょうか。それだけでなく、ITを利用したサービスの企画や運営、ITを駆使し経営の効率化を目指すコンサルティングなどもあり、簡単に挙げてみてもその内容は多岐に渡ります。例えば皆さんの生活でも、電子マネーで買い物をしたり、携帯電話で友人と会話をしたり……。これらの便利な生活をサポートしているのが、ITなのです。社会の流れに歩調をあわせ、さらには数歩先のサービスを提供することが、IT業界に課せられた使命であると考えます。

私がIT業界を志したのは、もともと「物事を効率的にすること」に興味があったからなんです。私が就職活動を行った10数年前、パソコンが急速に普及した時代でした。入社後しばらくして長野オリンピックが開催されたのですが、そこで利用されたすべてのコンピュータやサーバーはIBM製品を利用し、コンピュータに関する企画や運営のすべてをIBMが担当しました。私はそこでITエンジニアとして働きました。世界の大イベントに関わることができて大変興奮したのを覚えています。

その後、銀行のお客様を中心にITエンジニアとしてお客様のニーズに応じた情報システムの企画や設計の仕事を担当し、3年間イギリスに赴任。帰国後は役員補佐を経て、現在は金融機関向けのさまざまなシステムの企画や導入、コンサルティングを担当しています。

「先読み力」を培ったイギリスでのプロジェクト

これまでの経験を振り返ってみると、自分が大きく成長したのは、イギリス赴任の影響が大きいようです。

イギリスでは、仕事の進め方や職場でのコミュニケーションのとり方などを含めて、自分の働くスタイルを見直す転機となりました。特に、プロジェクトリーダーとして15名のイギリス人メンバーをまとめた際には、多くのことを学びましたね。国籍が違い、自分より年上のメンバーも在籍していましたので、仕事を依頼するときには、前もって配慮すべきことがたくさんありました。

日本では「これをしてほしい」という一言で、何の問題もなくスムーズに業務を進められましたが、イギリスでは「なぜこの仕事をする必要があり、なぜあなたにお願いするのか」を明確に提示しなければ、誰も首を縦に振ってはくれないのです。さらに、「この仕事を彼にやってもらうために、私が準備できることは何か?」を常に考えていました。仕事は指示された者だけが努力するのではなく指示するほうも協力することで、業務がスムーズに運びます。仕事の進め方にしても、お互いが納得するまでとことん議論。相手の立場、価値観に想像力を働かせることが、仕事を進めるうえでどれほど重要であるか痛感しました。

新しい発見の連続であったイギリスでの経験があったからこそ、帰国後にプロジェクトリーダーとして50人のチームを任されても「大丈夫だ」という自信の源泉となりました。

また、こんなエピソードがありました。時は遡って入社4年目の頃、ある上司から「まず、自分がお客様に認められること。それからお客様がお客様の会社で評価されるために、自分が何をできるのか考えてほしい」とアドバイスされました。仕事ができて部下からの信頼も厚い、尊敬する上司からのその一言を私の信条としてこれまで仕事に取り組んできました。

それから数年後、大変難しいプロジェクトのリーダーに臨み、多くの困難を乗り越えてようやくプロジェクトが無事に完了。1カ月ほどして、担当したプロジェクトのお客様が私にこう言ってくれたのです。「普段はお礼の言葉を言ったりしないのだけど、村中さんだけには言わせてほしい。今、昇進発表があって、昇進が決まったよ。村中さんのおかげで成果を上げられたからなんだ。本当にありがとう」。入社4年目に上司に教わった、「お客様がお客様の会社で評価される仕事」を実現できた瞬間でした。お客様と話す際にも、そのお客様の上司や会社の方針を把握したうえで話をするのと、把握せずに話をするのとでは、最終的な結果に大きな質の差が生じます。お客様のその先、つまり二歩先を見ることで、お客様の満足を超えた感動を提供できるのです。それが本当の意味でのプロフェッショナルの仕事であり、自分の成長へと繋がるのだと思います。

仕事柄、社内外のいわゆるできる人と仕事をする機会に恵まれ、そのような人のある共通項に気がつきました。それは「起こりそうな問題を事前に推測して、その推測をもとに一歩先の行動をとる」、すなわち先読み=プロアクティブの行動をとるということなのです。例えば「トラブルが起こる前に、トラブルの原因そのものを解決する」「大きなプロジェクトを担当する際には、部下が動きやすい環境を事前に整える」ということですね。高校生の皆さんも、ただ漫然と目の前の課題に取り掛かるのではなく、先読みして準備を行い、目標から逆算してスケジュールを立てて受験勉強に取り組むことで、それぞれの夢の実現へと大きく近づくのではないのでしょうか。

驚愕、インドの学生事情 自分の強みは何か? 先手で行動せよ

先日、インドにBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング: 企業が業務過程の一部を外部に委託すること)を調査する出張に行ってきました。インドにはアメリカの多くの金融機関のコールセンターがあり、そこで流暢な英語で効率的に仕事をしている多くのインド人の姿に圧倒されました。現在、インドの人口は11億人。大学進学率は6%と言われていますので、20歳前後の人口で計算すると年間約600万人が大学に進学していることになります。この数字は大学進学率50%の日本の大学生の数に匹敵。ご存知のようにインドの公用語は英語ですし、大学に進学する人は英語をごく自然に使いこなすことができます。家族、場合によってはコミュニティ全体の期待を背負って大学入試に臨み、難関を突破してくる人たちですから、彼らの勉強に対する意欲は相当なもの。さらに高みを目指そうとする上昇志向も驚くほどです。

IBMインド法人もインドで採用活動を行っていますが、採用基準は最低でも大学院卒業者です。学部卒業者の場合は首席のみに限定です。ところがこのような人材のコストは、日本に比べると驚くほど低いのです。

このような現実を目の当たりにすると「自分は何を武器に戦っていけるのか?」と考えずにはいられませんでした。

高校生の皆さんは、学校や予備校で一緒に受験勉強している人だけがライバルではなく、世界には優秀なライバルがたくさんいるのだという認識を、心の片隅にでも置いてほしいと思います。現在の少子高齢化など国内事情を考慮すると、外国人が日本で働くことは遠い未来の話ではないでしょう。日本においても今後、英語を介したビジネスを余儀なくされることもあるでしょう。そのような状況を知り、学校や予備校での英語の学習に積極的に取り組む。これこそが、将来の必要性を先読みしてプロアクティブに行動することの体現かもしれません。

※文中敬称略。所属・役職等は取材当時のものです。
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