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学校運営
立命館大学 文学部 東洋史専攻
学校法人 立命館 総務部長
今村 正治 (いまむらまさはる)氏

2009年01月東進タイムズ掲載

職員一人ひとりに刻み込まれた「学生のために」という真摯な想い

現在私は、学校法人立命館の総務部で、大学をはじめとする組織全体のさまざまな業務を担当しています。その内容は学園の管理運営関連事務、人事、福利厚生、広報、学生・教職員の健康管理、キャンパス管理など、多岐に渡ります。

学生のキャンパスライフのサポートはもちろんですが、教職員がより良い環境で仕事に打ち込めるように労働条件を整えることも、私たち総務部の大切な仕事です。付属校を含めた47,000人の学生・生徒、3,000人の教職員の学園生活を見守り、快適に日々を過ごせるように常に気を配っています。万が一、学生や教職員が事件・事故に巻き込まれた場合は、24時間の非常態勢で問題解決に当たることもあります。

大学職員というと、淡々と事務的な作業をこなすイメージがあるかもしれませんが、それだけではありません。学生課時代には、学内サークル活動や学園祭などの学生行事を支援したり、学生と大学の間に立って学生の要望を実現できるよう努めたりと、積極的に活動する学生たちと関わってきました。1995年の阪神・淡路大震災では、学生が組織したボランティア団体の活動場所を確保したり、被災地に出かけ活動の現状を把握したり、専門家やカウンセラーを紹介したりするなど、その活動をサポートしました。

新人時代は学部事務室で学籍担当だったので、学費の面で進級をあきらめようとする学生を呼び出しては「辞めちゃだめだ、方法はあるよ」、長期欠席している学生に毎日電話しては「1日でも出ておいで」と説得していました。学生には余計なお世話だと思われていたかもしれませんが、立命館大は以前から学生の面倒見がいいことで評価されておりますし、職員には代々「学生のために」という想いが胸に刻みこまれています。とりわけ私の場合、立命館大で学び、学園の雰囲気が好きでそのまま就職した経緯があるので、若さも手伝ってかなりの熱血漢でした(笑)

アメフト初優勝! 歴史的瞬間に陰ながら関われたことの喜び

80年代後半から、立命館大はスポーツ強化に力を入れ、スポーツ能力に優れた学生を迎える「スポーツ選抜入試」を導入しました。当時私は学生課長だったのですが、そうして入学してきた選手たちが、どうすればさらに強くなれるか、試合に勝てるかは、大学側にとっても大きな課題でした。そこで学生課では、コーチング体制や施設・会場の整備、コーチの留学システムなど、数々の施策を練って提案、実行に移しました。スポーツに打ち込みやすい環境を整えることで、立命館大のスポーツ選手はどんどん強くなっていきました。選手が頑張って試合に勝ち、成果を上げることで学園全体が活気にあふれ、学生はもちろん、教職員やOB、ご父母の方々までも元気になりました。そのことを最も私たちに印象づけてくれたのが、アメリカンフットボールチーム「立命館大学パンサーズ」の、1994年の関西学生リーグ初優勝です。

皆が肩を組んで校歌を歌いながら応援する中で、創部41年にして初めてのリーグ優勝を果たしたあの感動は、今でも忘れられません。その後の甲子園ボウル(東西大学王座決定戦)でも、初出場ながら法政大学を破って学生日本一に輝きました。

それ以降も立命館はスポーツ強化が進み、強豪校として名を馳せるようになりました。大学職員としてその一助になれたこと、一つの歴史に関われたことを誇りに思っています。

大学創設に一から携わり学生集めに奔走した思い出

1997年からは、立命館アジア太平洋大学(APU)の設立・運営にも関わりました。「世界に開かれた真の国際大学を創ろう」と、外国人の学生比率を半数にすることになり、教職員が世界各国に足を運んで留学生を集めることになったのです。

私は韓国担当だったのですが、優秀な学生を獲得したいという熱意ゆえ、通算すると韓国を100回以上訪れて、ほぼ全土を回りました。夜遅く、韓国の南部にある田舎町の高校に呼ばれて伺ったこともあります。そんなみんなの苦労が実り、韓国をはじめ世界約400の高校と協定を結ぶことができました。2000年4月に開校したAPUでは、現在81カ国・各地域から約2、600人の留学生が国内学生とともに勉強しており、国内外で高い評価を獲得しています。

世界のあらゆる地域から学生が集うAPUは、“小さな地球”と表現されるほど国際色豊かな大学です。開設後は学生課長として留学生のサポートをしましたが、さまざまな価値観や豊かな文化に触れることができ、とても素晴らしい経験でした。

視野を広げて、より多くの知識を獲得することが大切

大学職員に求められる資質は、第一に人間が好きであること。そして、学生の成長を支援するために、さまざまな問題に対して真摯に対応できることです。例えば、学生が相談に来たときに、「これはできる、あれはできない」というルールで単純に説明するのは誰でもできることです。そうではなく、成長を促す観点から「どうすれば実現できるのか」という道筋を示すことこそが大学職員の役割。それには、自分自身の視野を広げ、多くの知識や知恵を持つことが不可欠です。また、昨今は文部科学省の政策も変化に富み、大学の学問領域も広がっていますから、日々学ぶことはたくさんあります。

これからの大学職員は、自分がやりたいことへのビジョンをしっかり持ち、さまざまな立場の人を説得できる能力や、「これが大学、学生のためなんだ」と確信すればそのために行動できる「改革者」であることが求められていると思います。そのため、立命館大では現在、一人ひとりの職員のキャリアやスキルを高めるためのサポート体制を整備しているところです。

また、ときには学生が起こしたトラブルや事故などで、難しい対応をしなければいけないこともあります。その時々で適切な対応を行うには、学生一人ひとりに対する深い理解や、共感する力が欠かせません。そのため私たち職員は、普段から学生の行事には積極的に参加して、学生たちと良好な関係を築くようにしています。

私自身、学生とあれこれ話し合いながら動き回ることが大好きなので、心からこの仕事に喜びを感じています。何よりも嬉しいのは、学生が卒業するとき、あるいは卒業してから「お世話になりました」との言葉を聞くこと。この仕事をしていて良かったとしみじみ思う瞬間ですね。

※文中敬称略。所属・役職等は取材当時のものです。
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