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銀行
神戸大学経済学部
みずほ銀行 神谷町支店 渉外3課 課長代理
小島 晃 (こじま あきら)氏

2008年02月東進タイムズ掲載

お客様と銀行のパイプ役となり、経済の活性化に貢献 飽くなき好奇心が未知の扉を開く!

お客様のご要望にお応えするために、確固たる信頼関係を築く

 企業活動はさまざまな仕事によって支えられており、銀行も皆さんがイメージしやすい店舗の窓口業務のほか、営業や審査業務、コンサルティング業務など数多くの職種があります。

 そんな中で私が担当するのはRM(リレーションシップマネジメント)と呼ばれる職務で、個人や企業を対象にお金の貸し出し(融資)から海外進出、M&Aなどのお手伝いを担当している部署です。つまり、私たちはお客様と銀行のパイプ役を担っているわけです。

 現在は、お客様のお金に対するニーズが多様化していますので、単なるお金のやり取りだけではなくお客様の要望をじっくり伺いながら、具体的に私たちができることを考え、お客様と共に実現に向けて歩んでいきます。例えば「工場を建てたい」という場合、「どこに建てるのか?」「どれくらいの規模にするのか?」「原料の仕入れ先は?」「工場で働く人材の確保は?」など必要な事項を一つひとつ検証し、ときにはより良い方法をお客様にご提案差し上げることもあります。

 その過程では、グループ会社や一般のコンサルティング会社と連携することもあります。

 あらゆる分野の専門家の知恵を結集し、検討を重ねながら「確実に収益が見込める」と判断できるレベルにまで持っていき、最終的に店舗の総責任者である支店長が融資の決断を下します。

前例がないからこそおもしろい! 社会的意義に共感し、新しい分野に挑戦

 これまで取り組んできた仕事の中でも特に印象に残っているのは、風力発電のプロジェクトです。依頼されたお客様は、まだ設立間もないベンチャー企業でした。

 最初にその案件を伺ったとき、直感的に「やってみたい!」と感じました。風力発電に関するご融資は、支店はもとより銀行全体としても前例のないことでしたが、だからこそやりがいを感じ、何より環境保全につながるという意味で社会的意義が大きいことに共感を覚えたのです。

 とはいえ、それは想像していた以上に大変な道のりでした。「どんな場所でも電気を発生させるほどの強い風は吹くのか?」という素朴な疑問からはじまり、その仕組みをプロジェクトメンバーである小林(下の記事にご登場いただいている小林英明氏)と協力して一から勉強。どこのメーカーの発電機を使うのかを検討したり、発電所建設に適した場所や発生した電力を買い取ってもらう電力会社を探したり、発電機が故障した場合の保険パターンを考えたり……。

 一つ解決して前に進んだかと思うと、その先に新たな課題が見えてくるということの繰り返し。それでも、取り組んでいるプロジェクトの誇りを糧に、プロジェクトメンバー全員が心を一つにし、課題を一つひとつクリアしていきました。

 約半年間かけて本部から融資の承諾を得て発電所の着工がスタート。その半年後、開所式に出席したときのことは今でも忘れることができません。私たちの心を映したような晴れ渡った空に風力発電機がそびえ立ち、それまでの長い道のりを思って感無量でした。

 銀行は一企業であり、収益を上げることは大前提です。そんな中、難しい条件をクリアし、前例の無い風力発電所を立ち上げることができた。このプロジェクトに関わり、環境問題に少しでも貢献できたことで、未来の社会を担う一人である息子に胸を張って、自分の仕事の話を聞かせてやりたいと思うことができました。

お金の流れをイメージし、その先に広がる世界を考える

 銀行員というと一般的に「堅実」というイメージが強いでしょう。それは間違いではありませんが、実際の仕事は想像以上にダイナミックなものです。お客様へ融資することで、どのように未来が広がっていくのかという想像力を駆使して先の先まで考え抜きます。

 例えば船舶ファイナンスを例に挙げましょう。船舶ファイナンスとは、船舶を担保にして船の持ち主に造船資金や船舶購入資金を融資するものです。この場合、船が完成して終わりではありません。その船が穀物を運搬して世界の海を行き来し、さらに運ばれた穀物が地球の裏側の誰かの口に入る。そういう所まで思いを馳せることで仕事のやりがいがどんどんと広がっていくのです。

 私が就職先に銀行を選んだのも、金融ならさまざまな業種・分野に関わることができると思ったからです。と同時に、当時は強く意識していたわけではありませんが、やはり「経済」に人一倍興味がありました。新聞はいつも経済欄から目を通していましたし、大学時代に読む本も経済や金融関連が多かったですね。

 お金の流れを追うことは、経済を通じて世界を知ることでもあります。経済を知るために高校生の皆さんにお薦めなのは、身近にある自分の興味のある事柄を入口に、お金の流れを追っていくというやり方です。音楽が好きなら1枚のCDが発売されるまでに発生するお金を考えてみる。そうすれば著作権や印税、流通や販売に関する知識など、多くのことを楽しみながら学べるでしょう。

変化に富み、ビジネスチャンスが広がる 銀行業界はやりがいに満ちている

 この仕事に必要な能力として真っ先に浮かぶのは「好奇心」です。自分の可能性を限定せずに、いろんな分野のことを知りたいと思っている人にはピッタリの職種だと思いますよ。

 「人の気持ちがわかる」ことも、同じくらい大事なことですね。

銀行員にとって重要な「お客様第一主義」とはそういうことだと思います。つまり、お客様の要望をすべて受け入れるのではなく、どのような気持ちや背景においてお客様が主張されているのかを理解し、信頼関係のもとお客様と一緒により良い道を探すということです。

 経験からもいえることですが、どんなに大きな企業であっても、それを動かしているのは一人ひとりの人間です。自分と関わるすべての人に誠意を尽くし、しっかりコミュニケーションをとることが仕事を成功させるうえでの一番のカギと言えるでしょう。

 90年代の金融ビッグバン以来、銀行、証券、保険などの壁が取り払われ、業界を取り巻く環境は激変しました。また今後もどのように変化していくかは誰も予測することはできません。しかし、これは見方を変えれば「銀行」という枠に捉われない仕事のチャンスがたくさんあるということです。常に新しい知識を吸収する努力を怠らず、好奇心のアンテナを磨いて、未知なる分野・仕事に果敢に挑戦していきたいと思っています。

※文中敬称略。所属・役職等は取材当時のものです。
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