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戦略コンサルタント
早稲田大学 理工学部
株式会社 野村総合研究所 事業戦略コンサルティング一部 副主任コンサルタント
金 惺潤 (きん せいじゅん)氏

2007年08月東進タイムズ掲載

幅広い知見や独自のノウハウで経営状態を判断し、 成功に導く企業の「パートナー」

「問題はどこか」本質を見極めるのがコンサルタント業の肝

  「戦略コンサルタント」は高校生の皆さんが日頃接する機会はまずないと思いますので、イメージしにくい職業かもしれません。経営問題を解決するのが私たちの仕事なので「企業のお医者さん」と呼ばれたりもしますが、私自身はクライアントと共に歩む「パートナー」だと考えています。具体的には、クライアントの経営状態や関連業界の市場動向を分析し、新規事業の立ち上げや業績アップのための計画を立案したり、成熟期にある事業部門の発展のために提案をしたりします。

  これまで私が担当してきた企業は、電力・ガスなどエネルギー関連や不動産、商社などです。依頼内容によっても異なりますが、だいたい1回のプロジェクトに関わる人数はコンサルタント4名前後、一緒に仕事をする期間は3カ月位でしょうか。

  例えば「グループ会社の成長のスピードアップを図りたい」という依頼があったとすると、私たちがまず取り組むことは、初回のミーティングに臨むための「予習」です。企業や企業を取り巻く市場の状況を詳細に調べて、「こういうところに問題があるのではないか」という仮説を立てておくのです。

  クライアントとのミーティングを重ねる中で、その仮説が正しいかどうかを判断し、対策を立てていきます。口で説明するのは簡単ですが(笑)、これが極めて大変な作業! 企業の固定観念に捉われずに問題点を的確に見極めるために、繰り返し議論を重ねます。

  言い換えれば、「どこに問題があるか」さえ明確に掴むことができれば、その課題はほとんど解決できたも同然なんです。ゆえに、何が問題かをクライアントとの議論の中で見つけてゆくための「コミュニケーション力」や、問題を考え抜く「論理力」は、戦略コンサルタントとして、必要な能力の筆頭に挙げられるものだと思います。

「新入社員だから」は通用しない! 一人ひとりが独立したプロ集団

  NRI(野村総合研究所)は、私が担当している新規事業開発や業務改革だけでなく、社会・産業の予測、企業経営・政策立案に関する提言、システム設計など多方面から企業や政府の活動を支援しています。基本的に一人ひとりが「独立したプロ」という自覚で働いているので、新入社員でも大きなチャンスが巡ってくる、やりがいのある職場です。

  実は私が初めてプロジェクトのリーダーを任されたのは、入社2年目でした。自分よりも年齢がひとまわり以上の先輩たちを引っ張っていくのですから、不安でないわけがありません。でも遠慮していると「お前がリーダーなんだぞ!」とたしなめられたので、必要以上に気を遣うのを止め、自分の考えを積極的に伝えるようにしました。その結果、先輩たちに支えられながら無事プロジェクトをやり抜き、コンサルタントとしてやっていくための自信を得ることができました。

  またこれまで手がけた仕事のなかで、最も印象に残っているのは、入社3年目に担当した総合商社とのプロジェクトです。これまでの商社の戦略である「物を仕入れて売る」というような手法からの脱皮を図りたい、というのがクライアントの強い要望でした。

  とはいえ彼らは、世界を相手に豊富な経験を積み重ね、業界の第一線でダイナミックに活躍する凄腕ビジネスパーソン。初めてのミーティングでは、彼らの豊富な知識やウイットに富んだ会話、人間的魅力あふれるキャラクターに圧倒されっぱなしでした。「この人たちにわからない答えが、果たして社会人3年目の自分に見つけられるのだろうか?」と不安を抱いたほどです。

  しかし、少ない経験をカバーするためにひたすら勉強して、互角に渡り合える知識を蓄え、ミーティングを重ねて問題を考え抜きました。その結果、「モノそのものではなく、モノを作り出す企業に投資をする」という手法の中で新たな提案を示したことで、感謝され、評価されたときの喜びはひとしおでした。機関銃のように浴びせられる質問から逃げることなく、それらの一つひとつに丁寧に向き合ったことや、これまでの経験や常識の中から答えを見つけ出そうとする彼らに対して、それまでになかった視点から提案をしたことが成功の決め手になったのだと思います。

  キャリアや年齢に関係なく、努力と自分のアイデア次第で企業に影響を与え、社会に貢献することができる! もちろんその分プレッシャーもあり、責任も重いわけですが、やり抜いたときの喜びを一度味わうとやめられない。こんな大きな感動を得られる仕事はそうそうあるものではないと思っています。

コンサルタントを目指したきっかけは、靴売り場のアルバイト

  私がコンサルタントという仕事を意識し始めたのは大学生のときです。

  当時、私はデパートの靴売り場で販売のアルバイトをしていたのですが、やり始めたら手を抜けない性分のため、どんどんのめり込んでいきました。そして「どうしたらもっと売れるのか」を日々考えていた末に、「原因は売り場ではなく仕入れにある」と気づいたのです。ちょうど大学院の修士論文のテーマを探していたので、その結果を論文にすれば一石二鳥だという気持ちもあり、試しに企画書を作ってデパートの上司を通して経営陣に直訴してみたんです。その仕入れ方法についてデパートのトップの方と議論している場に、ある日たまたま遭遇したのがNRIの経営コンサルタントだったのです。今から思うと、不思議な縁ですが、「金くん、今やっていることを仕事にしたいならこういう職業がおすすめだよ」と紹介されたとき、それまで漠然としていた将来の職業に対する考えが一挙に身近なものになりました。自ら考え、発言し、実行して成果に繋げる。そんなふうに自分が思い描いた理想の仕事と、コンサルタント業のイメージが重なったのです。

経済のグローバル化で、ビジネスチャンスはさらに広がる

  前述の「論理力」や「コミュニケーション力」のほかに、「タフであること」もこの仕事には欠かせません。「これだ」という解決策が見つかるまでは、何時間でもメンバー全員で仮説・検証を延々と繰り返すこともあります。そんな日常を高校生の感覚で表現するなら、「定期テストの3日前の緊張感と忙しさが1年365日続いている感じ」でしょうか(笑)。

  資質としては「好奇心旺盛であること」がかなり重要です。クライアントの業種は多岐に渡りますから、電力のことに詳しくなったと思ったら次は不動産について調べなければいけない、その次は石油……という具合にさまざまな業界のことを絶え間なく勉強し続けなければなりません。それを苦痛に思わず、むしろ「次はどこだろう?」「もっと知りたい」とワクワクするくらいであるといいですね。

  経済のグローバル化が進む現在は、海外へと仕事のフィールドも広がっています。すでに手掛けているアジア企業に対するコンサルティングを充実させ、世界レベルで活躍していくことが、私のこれからの目標です。

※文中敬称略。所属・役職等は取材当時のものです。
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