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印刷会社 デジタルコンテンツ開発
成蹊大学 工学部(現・理工学部)
凸版印刷株式会社 情報コミュニケーション事業本部 デジタルコンテンツソリューションセンター 事業開発部 商品開発チーム
野阪 知新 (のさか ともあき)氏

2011年09月東進タイムズ掲載

高校生が求めているものは何か 強いこだわりが導いた圧倒的支持!

スキマ時間を学習時間へ 『英単語センター1500』アプリの実力

私たちの生活は、iPhoneを始めとするスマートフォンやiPadなどのタブレット端末の登場により、確実に変化を遂げている。スマートフォンは通話やメールをするだけの機械ではない。ネットの閲覧はもちろん、ゲーム、音楽、映画、書籍といったコンテンツを楽しむことのできる多機能マシンだ。さらに「アプリ」と呼ばれる外部のソフトウェアをインストールすることによって、必要な機能を新たに取り込むことができる。例えばiPhoneで使用できるアプリの数は、有償無償版を合わせると40万を超えるとされる。ユーザーはその中から、自分の好みとライフスタイルに合わせて、必要なアプリを自由に選び取ることができるのだ。

このほど東進がリリースした『英単語センター1500』は、受験生に必要な必修英単語1500語を、簡単な操作で徹底的に学ぶことのできるアプリである。機能は大きく「単語テスト」と「単語帳」に分かれており、「単語テスト」では頻出度の高い単語から順に3つのステージを用意。さらに各ステージは、100語ずつの5つのステップに細分化してある。東進がこれまで培ってきた「高速基礎マスター講座」などの既存のeラーニングの学習ノウハウに、スマートフォンならではの操作性を融合させたアプリだ。

「とりわけこだわった点は、どんな教育ツールよりも効率的な"スキマ時間学習"を提供するということです」。そう語るのは、凸版印刷デジタルコンテンツソリューションセンターで、アプリの開発ディレクターを務める野阪知新だ。スマートフォンの登場により、通勤・通学電車の中や待ち合わせまでのちょっとした空き時間を、より有効に活用する人たちが増えてきた。『英単語センター1500』が出題数を10問から選択できるようになっているのも、こうした空き時間に合わせて、受験生がより効率よく、確実に学習効果を得られるように考え抜かれた結果であるのだ。

100を越える機能を軽快に動かせ! 相矛盾する難題への挑戦

だがそれだけに、開発には時間を要した。なぜなら、実現したい機能は「100を越えていた」というのである。しかしそれらをすべてアプリに実装してしまうと、逆に操作がわかりにくくなる。加えて、アプリ自体のデータ量も増えてしまい、動作が安定しなくなるという問題も生じる。一般的に、スマートフォンユーザーはアプリに対する評価に厳しい。いくら便利な機能がついていても、使用時に不具合を起こすと、効率的に学べる点を阻害するだけでなく、たちまちネット上で悪評が立ってしまうのである。

さらにもうひとつ、野阪は「出題から解答までの一連の動きを、テンポ良く操作したい」と考えていた。しかしそれは「100を超える機能の実装」と相矛盾する問題でもあった。多機能になればなるほど、アプリの動きは鈍くなるからだ。

「スマートフォンが高機能になったとはいえ、性能には限界があります。その中でどう調整していくかが、一番苦労した点ですね」。確かに実現したい機能はどれも捨てがたい。野阪を筆頭にしてチーム全体でアイデアを出し、何度もすり合わせを行う日々が続いた。気がつけば、5カ月という時間が流れていた。

こうして完成した『英単語センター1500』は、リリース直後から好評をもって迎えられた。東進の優れたコンテンツと凸版の開発力のコラボレーションにより、他の英語学習アプリを押しのけて一気にトップチャート入りを果たし、ユーザーからは100件を超える評価が寄せられた。「達成感がある」「ゲーム感覚で学べる」「さくさく勉強できて楽しい」といった感想が、現在も続々と書き込まれるほどの人気アプリとなったのである。

これだけの高評価を得るアプリは珍しいともいえるが、その成功の要因を、野阪は最後まで「こだわりを捨てなかったから」だと分析する。東進との二人三脚において、お互いが「高校生が求めているものは何か」というテーマについて徹底的に検証・議論を尽くしてきた。だからこそ、圧倒的な支持を得ることができたのだ。

未踏の分野だからこそやりがいがある アプリ開発に必須の「力」とは?

野阪が携わるアプリ開発という分野は、当然のことながらまだ新しい。野阪ももともとは、現在の印刷には欠かせないDTP( デスクトップパブリッシング)のシステムサポートを業務としていた。その当時から野阪が心がけていたことが、一つある。「できるだけ簡単な言葉を選んで、わかりやすく相手に伝えるということです」。技術者は往々にして、専門用語を使いがちになる。それでは顧客が理解できない場合があると、野阪は常日頃から感じていた。そうした姿勢が評価され、野阪はやがて顧客のサポートを中心とした仕事に従事するようになった。

転機が訪れたのは昨年、社内でスマートフォンやタブレット端末への対応を専門とする「デジタルコンテンツソリューションセンター」が立ち上がってからだ。そこでもまた、野阪の「相手にわかりやすく伝える」という力が威力を発揮することとなる。新しい部署には、専門領域の異なるメンバーが集結しており、それぞれの知識を共有していくためにも、情報をわかりやすく伝え合う必要があるからだ。もちろん、アプリ開発においてもその力は必須である。

「アプリディレクターの仕事は、大きく二つあります」と野阪は言う。「提案(プレゼンテーション)」と「制作」の両面だ。とりわけ「プレゼン」では「相手に伝える力」が問われる。いくら良い企画を考えても、結果だけを話すだけでは相手の心に響かない。その結果に至るまでの思考過程や、他と比べて自分たちの提案がどのように優れているのかを熱意と自信を持って語らなければならないのである。

それに加えて必要なのは「情報を整理する力」だ。アプリ作りは、まだ存在しないモノ(アプリ)を形にする仕事である。それだけにあらゆる情報を整理して、制作者も顧客もきちんと共有しておく必要があるのだ。それが最終的に、アプリの質に直結してくるのだと野阪は強調する。

「これからは、一人一台の割合でスマートフォンやタブレット端末を持つ時代。市場が拡大している分野だけに、新しいことをやっているという充実感があります。将来的には、どんな人にも必要とされるようなアプリを作ってみたいですね」。その言葉には、新しい分野への挑戦に意欲を燃やす、クリエイターの矜持がにじんでいた。

※文中敬称略。所属・役職等は取材当時のものです。
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