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商社
京都大学 農学部
三井物産株式会社 人事総務部 人材開発室 マネージャー
塩見 智也 (しおみ ともや)氏

2009年07月東進タイムズ掲載

世界中の「人」「モノ」「サービス」を繋ぎ、社会に貢献していきたい

物流と事業投資、社会のあらゆるニーズに応える

高校生の皆さんは「商社」といっても、具体的にどんな仕事をする会社なのか、よくわからない人も多いのではないかと思います。私自身も、高校時代は商社の存在さえ知らず、将来自分が入社するとは夢にも思っていませんでした。

「ラーメンから人工衛星まで」――これは昔よく言われていた、商社の業務内容をあらわすキャッチフレーズです。商社の主な仕事の一つに、「物流」があります。これは簡単に言ってしまえば、物資を豊富なところから乏しいところへと運び、困っている人たちの不便を解消していく仕事です。扱う商品は、インスタントラーメンやミネラルウォーターから自動車、人工衛星、航空機まで多岐に渡ります。

具体的には、輸出取引をするお客様(メーカー企業)には海外市場の開拓をお手伝いし、輸入取引をするお客様には原材料や製品の海外調達をお手伝いしています。

さらに、リスクマネジメント(※1)や輸送サービスなども行い、取引をスムーズに進めるのが私たちの使命です。

また、当社では「事業投資」をもう1つの大きな柱にしています。新規事業への投資や経営支援、天然ガス・油田などの各種エネルギーの開発などに携わっています。

「物流」と「事業投資」という二つの業務の共通点は、「社会のニーズに応える仕事」ということです。これを世界規模で行いますので、たいへんスケールが大きく、かつ社会的な意義も大きい仕事ですね。

※1 リスクマネジメント企業活動に伴うさまざまな危険を最小限に抑える管理運営方法のこと

海外に目を向けたことで広がった視野

私が商社で働くことになったきっかけの一つに、大学院時代の経験があります。農学について学んでいた大学院1年のときに、学会の研修でタイに行きました。私にとって初めての海外体験だったのですが、タイの非常に活気のある社会と、明るい国民性に大きな感銘を受けました。また、日本の研究室の中にいたときは知りえなかった、気候や地勢など風土の違いによる作物の成長の違いなどを目の当たりにし、多くの発見を得ました。そこで、国内に留まらず視野を広げ、海外と関わりを持ちながら研究や仕事をしてみたいと漠然と思うようになったんです。

縁あって三井物産に入社後、1年目は食料経理部に配属になり、主に営業本部の会計・決算管理に携わりました。その後は営業本部で、いわゆる「営業マン」として世界のさまざまな国に出かけ、化学品を売買取引する経験を積みました。

文系出身者のイメージが強い商社ですが、実際は私と同じ理系出身者も社内で3割程度働いていますよ。

現在は人事総務部という部署で、人材の発掘及び育成に取り組んでいます。「良い人材」が「良い仕事」を創っていくという「人材主義」を経営理念に掲げる当社にとって、「良い人材」を育てていくことは最大の使命です。現在の仕事は人材の発掘、いわゆる新卒、既卒の採用が中心ですが、同じ部署では育成プログラムも策定しています。育成は現場での実践が基本ですが、我々は側面サポートとして、新入社員研修、管理職を対象としたリーダーシップ研修や、海外研修、語学研修などグローバルに活躍するための多彩なプログラムを実施。さまざまな分野における専門知識の向上のためのプロフェッショナル研修や業務職・業務スタッフ職を対象とした研修を強化しています。

“一番の功労者”お客様からの感謝の言葉が何よりも嬉しい

これまでで一番思い出深い仕事は、入社3年目に社内の「海外修業生」制度に立候補してタイに派遣されたときのことです。

海外修業生とは、毎年30名ほどの若手社員を世界各地に2年間派遣し、最初の1年間は語学を現地の大学や語学学校で学び、2年目には現地の支店・現地法人などで実務研修するという制度です。私の場合はチェンマイ大学でタイ語の勉強をしたあと、タイ国三井物産株式会社で研修員として化学品の貿易に携わりました。初めての営業経験だったのですが、バンコクは経済復興期で非常に活気がありましたのでお客様が多く、とにかく忙しかったですね。

私が着任した翌週に、日本の某メーカー企業の洗剤工場の立ち上げをサポートすることになりました。さら地になっている工業地帯の一角に1年以内に工場を建てなければいけないハードスケジュールに加え、化学品を取り扱うので現地の厚生省の認可も必要でした。タイの厚生省に毎日足を運んで交渉した末、ようやく製造が許可されたときは、ほっと一安心しました。

さまざまなサポート業務の甲斐(かい)あって、1年後無事に工場が稼動しました。私が帰国するちょうどその日に工場のオープン記念パーティが行われたのですが、お客様に「彼がプロジェクトの一番の功労者です」と紹介されて、壇上に上げていただいたときは、本当に感無量でした。

この仕事でやりがいを感じるときは、何よりもお客様に貢献できたときです。企業として、利益を出すことももちろんですが、面と向かって「ありがとう」と言っていただけることが一番嬉しいですね。世界のいろいろな場所で、どんなにスケールの大きな仕事をしていても、モチベーションを高めてくれるのはやはり、ごくシンプルな「感謝の言葉」なんです。

※文中敬称略。所属・役職等は取材当時のものです。
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