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競泳強化コーチ
近畿大学 商経学部(現・経済学部・経営学部)
アイエスエス株式会社 イトマンスイミングスクール 上小阪校 強化コーチ
堀井 利有司 (ほりい りゅうじ)氏

2008年05月東進タイムズ掲載

結果と過程のどちらも大切にしながら、世界に通用する選手を育てていきたい

世界を舞台に活躍できる選手の育成を目指して

 私は現在、道浦と同じく強化選手の指導にあたっています。オリンピック出場への登竜門である、ジュニアオリンピックという大会で上位に入るような選手を、さらにレベルアップさせるのが私の仕事です。選手たちを国際大会やオリンピックに出場させ、さらにそれらの大会で世界を舞台に活躍できる選手の育成を目指しています。

 私が担当している選手は8名で、年齢は13歳から20歳くらいまでと幅広いです。ほぼ毎日、朝練と夕練があります。朝練は5時半から7時までで、学校の授業をはさんで4時から夕練が始まります。毎日の練習では、選手一人ひとりの個性を把握し、それを活かせるようにメニューを作成し指導しています。そして、選手の技術面や精神面などすべてをサポートして良い方向へ導くことを常に心がけています。

 実は、私は大学4年生のときにアトランタオリンピックに出場した後、水泳とは全く無関係の会社に就職し営業の仕事をしていました。選手時代に、どうしても「練習させられている気持ち」を拭うことができず、スポーツが嫌いになってしまったことが水泳を離れた一つの原因だったと思います。子どもの頃のように純粋に水泳を楽しめなくなっていました。

 しかしある日、たまたま営業の仕事中にプールを見かけました。そのとき、皆がプールで楽しそうに泳いでいる姿を見て「自分の居場所はここではないか」とふと感じました。自分の経験、得意分野を活かして仕事ができたら、それは幸せなことだと気がついたのです。その出来事がきっかけで、再び水泳の世界に戻ってきました。

「スポーツは楽しい!」と、心から思えるようになった出来事

 コーチを始めて7年目、今からちょうど2年前のジュニアオリンピックでのことです。イトマンスイミングスクールは約20年間連続で総合優勝していたのですが、その年に初めて優勝旗を逃してしまいました。その頃、チーム編成の方針を転換した年でもありました。トップの選手は日本選手権に出場させ、それ以外の選手をジュニアオリンピックに出場させるという、従来とは異なるチーム編成で臨んだのです。主力選手を欠いて苦戦を強いられ、コーチとして選手を勝利に導けなかったことに対して大変悔しい思いをしました。

 しかし、そのことよりも、トップ選手が抜けたためにそれまで以上に選手たちが必死になり、チームが一体となって4日間の日程を最後まで真剣にやり遂げたことに達成感を覚えました。「負けたのに楽しい」という、今まで経験したことのない感覚。勝ち続けていたときには感じなかったことに気づかされました。

 それから、スポーツや勝負事に対する考え方が変わったんです。スポーツは勝つか負けるかの世界です。自分が担当した選手が成長すれば勝利につながる。その過程は本当に楽しいものです。きっと、スポーツを本当の意味で楽しめるようになったのだと思います。

コーチとして選手に伝えたいこと

 私が選手だった時代と比べると、コーチの指導法はだいぶ変わってきています。選手に「無理やり練習させる」のではなく「自分自身で考えさせる」。本人に練習法を選択させて、こちらはそれに対してアドバイスをする。試合の結果だけではなく、練習の過程も大事だということを選手に伝えていきたいです。

また水泳を通じて、選手には一人の人間としていろいろなことを学んでほしいと思います。スポーツはもちろん、社会全体の動きを理解できる大人になってほしい。私もコーチとして水泳に携わりながら、改めて一社会人としての責任を再認識しています。

高校生の皆さんには、「ありがとう」など感謝の気持ちを素直に言えること、一般常識など社会的な知識を身につけることを心がけてほしいですね。そして自分の夢や目標を持って、今という時間を大切に過ごしていってください。

※文中敬称略。所属・役職等は取材当時のものです。

	
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