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百貨店
成蹊大学 文学部
株式会社 伊勢丹 人事部 人事キャリア担当 マネージャー
下福 直子 (しもふく なおこ)氏

2008年10月東進タイムズ掲載

従業員すべての想いが1つになったとき、お客様の満足に繋がる

さまざまなお客様の、 多種多様なニーズに応えるために

 現在、私は人事部に所属し、総合職や契約社員などの、採用業務を始めとした人事業務全般を担当しています。

 大学、大学院卒業生を対象にした総合職採用では、当社の求める「どんな環境下でもたくましく活路を見出せる自律性の高い人材」を切り口に採用活動を行っています。実際の面接の際には、学生さん自身の知識や経験したこと、そしてそれを周りの環境や新しく発生する事象にどう適用し対処できるのかという創造力の豊かさについてお話をうかがっています。

 また、一つの目標を設定した時に最後までやり遂げる気力や体力といったバイタリティも必要ですね。それからサービス業ですから、人あたりのよさ、傾聴力、自分の考えを的確に伝える表現力も重視しています。さらに周りの仲間を巻き込んで一つのプロジェクトが達成できるような人材活用力、チームワークといった協調性の有無も採用の基準に据えています。これらはさまざまなお客様の多種多様なニーズに応えるサービスや、商品を提供する百貨店に勤務する人材に不可欠な7つの要素だと考えているからです。私自身、店頭での接客、ニューヨーク駐在、新規プロジェクトの立ち上げ、婦人特選売り場のバイヤーを経験し、これらの要素の重要性を痛感しているからです。

新たな壁を乗り越えた ニューヨーク駐在時代

 伊勢丹に入社後、最初に配属された婦人フォーマル売り場では先輩からこんなことを言われました。「『これをしなさい』と言われたとおりにやるだけなら、それは仕事じゃない。ただの作業だ。」自分で考えて仕事をすることが一番大切だったのです。それを理解できたおかげで、「どの服が自分に似合うのか」とお悩みのお客様の好みを読み取り、さまざまな商品の中からお客様に満足していただける商品を提案できる能力が鍛えられました。店頭で直輸入品の販売に4年間携わるうちに、「出荷している販売元の仕組みはどうなっているのか知りたい」と思うようになりました。そしてちょうどその頃、ニューヨーク駐在の話がきたのです。

 3歳までと、10~14歳まで英語圏で生活をしましたので、自分自身も英語で話すことに苦労しないはずだと思っていましたし、当然会社からも期待されていました。しかし、ふたを開けて見ればビジネスでは通用せず、電話対応もままならなかったんです。ヒアリングは1カ月ほどで慣れましたが、なかなか思ったとおりに言葉を発することができません。そこで一念発起し英字紙を5紙購読して、英語力向上に取り組みました。当然1日では読みきれませんので、週末は辞書を片手に悪戦苦闘(笑)。でもその甲斐あってか、しばらくすると日本からニューヨークに出張で来た役員の商談に、通訳として同席する機会を与えられました。単に言葉を訳すのではなく、日米間の商習慣や背景を考慮し、言葉には表れない真意もうまく伝わるよう、苦心しました。

 またそのほかに、新規取引先を開拓することも私の任務の一つでした。当時、ニューヨークでは伊勢丹はまだ無名の存在。取引の糸口を見出すために、「相手企業にとって伊勢丹と商売することによるメリットは何か?」を考え抜き、何とか活路を見出すことができました。このニューヨーク時代に、自分の立場だけを一方的に主張するのではなく、相手の立場や想いを汲み取ることの大切さを学びましたね。

何人もの想いがこもった商品を 一人のお客様に届けるために

 小売業は、変化に対応することが求められる業界です。つまり、周りの言葉や想いに耳を傾けることができなければ変化に対応できず進化できないばかりか、時代に置いていかれてしまいます。ちょっとした変化を嗅ぎ取ったら、仮説、実行、検証を繰り返し、それでも何度も失敗を繰り返し、そんな小さなことの積み重ねが、販売効率で世界一につながったのではないでしょうか。

 2003年から3年間、伊勢丹の中でも特に高額商品を扱う婦人特選部のバイヤーを担当しました。このショップは世界のさまざまなブランドの選りすぐりの商品を一箇所に集めた、世界でもあまり例を見ない試みでした。バイヤーとして海外に出張し、商品の買い付けを担当しました。ここでもデザイナーの想いに敏感になり、商談相手の立場を慮るという感受性の豊かさの重要性を痛感しました。何人もの人の想いのこもった商品がお客様の共感を得て、ヒットに結びついたりするものなのです。

 これまで私は与えられた仕事をこなすのに精一杯で数年先のことを考えたことがありませんでした。でも不思議なことに、目の前の仕事に取り組んでいるうちに、自分に不足している部分が浮かび上がってきて、それから少しずつ次の目標が見えてくるものなのですね。

※文中敬称略。所属・役職等は取材当時のものです。
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