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銀行 国際部門
横浜国立大学 経済学部 経済法学科
みずほ銀行 国際営業部 国際アドバイザリーチーム 次長
加藤 修 (かとう おさむ)氏

2009年11月東進タイムズ掲載

まだ誰も見ていない世界をいち早く発見する 「現代の探検家」でありたい

大きなチャンスをつかんだ 中国・黒竜江省での飛び込み営業

 仕事で中国と深く関わるようになったのは、入行3年目に上海に留学したのがきっかけです。今から約20年前ですから、当時の世界における中国の情勢は現在とは全く異なります。周りからは「なんでアメリカじゃなくて中国なんだ?」と言われましたが、これからは時代の流れからアジアがおもしろくなるだろうと考えていました。高校のころから地理と世界史が好きで、大学時代は世界をあちこち回ることが趣味だった私は、留学中も週末になると旅行三昧(笑)。せっかく中国に来たのだからと中国の隅々まで足を運んで、いろんな地域の方言なども聞き取れるようになりましたし、ロシアや北朝鮮などとの国境も全部訪ね、行ったことのない地域はないというまでに極めました。

 それからまもなくして赴任した中国・大連では、この国に進出している欧米系企業への営業を担当しました。当時、印象に残っている仕事といえば、中国の一番北にある黒竜江省の奥地まで行って、世界最大級のスイス企業に飛び込み営業をかけたこと。滅多に人が行かないような地方でしたが、アメリカ人の財務部長が温かく迎えてくれて、その日のうちに取引のきっかけをもらいました。それを機に、同社が中国で展開する5カ所の工場へと取引を拡大させて、最終的には、当時の頭取(旧富士銀行)がスイスで本社の社長と会えるところまで進展し たんです。

 当時、欧米系企業の本社と日本の銀行が取引するというというのは簡単なことではなく、この企業との対話の一番初めのきっかけを自分が作ったと思うと、とても誇らしい気持ちになりましたね。ほかにも多数の欧米系企業との取引を開拓し、「中国で欧米系企業取引を開拓」という常識を覆す結果を残し、多くの人に驚かれました。

クライアントと一心同体となってプロジェクトを完成させる喜び

 私たちの仕事は日系企業のアジア進出支援なのですが、その内容は多岐にわたります。事前に現地の規制や状況を調査することはもちろん、事業計画を作成する場合もあります。そのためには市場調査、現地での拠点運営に関するコスト調査、会社を設立するのであれば定款や合弁契約を作成しなければなりませんし、スタッフ採用のためには労働契約や就業規定なども作らなければいけないのです。工場建設であれば、工場社屋の建設や設備の輸入作業も必要です。日本で工場の建設や、会社を作ったことのある人がどれくらいいるのかというと、ゼロから立ち上げた経験を持つ人はあまりいません。ましてや海外進出ということになれば、経験のない人がほとんどです。必要に応じさまざまな分野の専門家を起用し、プロジェクト・ コントロールをサポートをするのが、私たちの役目です。見知らぬ土地でのことですから、クライアントの担当者とは、情報も感情もすべて共有して、まさに〝同じ釜の飯を食った仲間〝になります。工場設立などの場合は一年半くらいかかりますから、現地に行って一緒のホテルに何日も滞在することもあります。その間、家族のように密度の濃い時間を過ごすこ とになるわけです。それだけに、事業が完成したときはお互いに非常に嬉しく、何もなかったところに大きな工場が姿を現したときは感動します。

 しばらくして訪問すると、今度は構内に人が溢れていて、実際に工場が動いている。これだけの人たちの雇用がここで発生して、いろんなドラマが生まれるんだなと思うと、やはり感慨深いものがありますね。そしてお金が流れ始める。銀行としてはこのお金の流れを捕捉することがビジネスです。正にそこに新しいビジネスが生まれていくのです。

困難を乗り越える原動力は「夢」

 もちろん、仕事では困難な場面に遭遇することもあります。そんなときの原動力は「夢」なんです。大学生の頃、アフリカ大陸最高峰・キリマンジャロの登攀に挑戦したのですが、それも最初は「夢」でした。高校生のときはいつか登ってみたいなと思いながら地図を眺めているだけでした。それが調べていくうちに、思ったほど費用もかからないし、技術もいらないとわかったんです。それでアルバイトをしてお金を貯めて、現地に向かいました。ひどい苦労をしましたが、登頂したときの達成感は今でも鮮明に覚えています。登頂者はタンザニアの国立公園から表彰状がもらえるんですが、それは「夢」を思い出すための大事な記念品として、今でも大事に取ってあります。これを見ると、苦しいことでも我慢して思い続けるといつかは花開くと思えてくるんです。

 銀行の国際アドバイザリーと聞くと、堅くて難しい仕事というイメージを持つかもしれませんが、私は「現代の探検家」だと考えています。例えばコロンブスやマルコ・ポーロは、誰も見たことのない世界を発見し、それを本国に伝えて国民に富をもたらした。彼らのように、誰もまだ見ていない世界をいち早く見て、情報を還元し少しでも日本に貢献できるようにリードする、それが私の使命だと思っています。そう考えていくと仕事もおもしろくなる。「現代のコロンブス」というとカッコよすぎるかもしれませんけどね(笑)。

 先ほどの中国での欧米系企業開拓も、人のまだ行かない奥地でビジネスを発掘する、探険家のような仕事でした。未知の世界に挑み、情報を集めて新しいビジネスの形を作り上げる。それは高校・大学時代の勉強にも共通するところがあります。未知のものに興味を持ってなぜ? という疑問を突き詰めていく。好奇心がいつしか人よりも知っているという自信へとつながり、そして自分の夢も見えてくる、そのようなものではないでしょうか。

※文中敬称略。所属・役職等は取材当時のものです。
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