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意匠建築士
法政大学 工学部 建築学科
株式会社 梓設計 執行役員 設計室 永廣スタジオ・リーダー 一級建築士
永廣 正邦 (ながひろ まさくに)氏

2015年04月東進タイムズ掲載

〝風通しの良さ〞が長く愛される建築を生み、人をも育てる 工場を庁舎に変身させるその驚くべき発想とは?

梓設計でスタジオ・リーダーを務める永廣正邦は、キャリア25年以上のベテラン建築士だ。設計を志したのは、中学3年の頃。建築家であった父親の影響だった。「ちょうど高校入試を控えた頃、建築家として独立したばかりの父が、自宅の設計を手がけたんです。そのとき、私にも部屋や庭、外観のことなどを聞いてくれたのですね。それが実際にできあがっていく様子を見ていて、これはおもしろい仕事だと思ったんです」そんな永廣が「設計に対する価値観が変わった」と語るほどに、心に残っている仕事がある。山梨市庁舎の改修工事だ。「改修」といっても、既存の庁舎を新しくしたわけではない。閉鎖されていた電子機器メーカーの工場を、市庁舎へと「変身」させたのだ。「今は古くなったものを壊して、新しいものを建てればよいという時代ではありません。環境に配慮し、既存の価値を残しながら後世に伝えていくという使命が建築には求められています」しかし「工場」を「庁舎」へと生まれ変わらせる取り組みは日本初。法的な問題もクリアしなければならず、容易ではない。工場内は風通しが悪く、薄暗い。それを市民の憩いの場へと変えるためには、大胆なアイデアと緻密な計算が必要だった。「まず、工場を二カ所で切断しました。そのうえで耐震性もアップさせ、床を抜いて吹き抜けを作り、自然光や風を採り入れるようにしたのです。既存のものを徹底的に使おうと決めていましたから、家具や備品、照明なども洗浄して再利用しています。その結果、新築のおよそ半分の費用で完成させることができました」設計の基本は土地を知り、使う人を知る環境に配慮した永廣の設計は、その後も山梨県立博物館などに生かされる。「置屋根」という形に象徴される「蔵の思想」を取り入れた永廣の設計は、「山梨という土地をよく知っている」として高い評価を受けた。盆地のため、夏は暑く、冬は寒くなる山梨の風土を巧みに反映した結果だ。「建築は、ときに環境を崩します。土地を荒らしてしまいかねません。だからこそ、いかにその土地や風土に寄り添って生きる建物を建てるか。その点が重要になるのです」加えて、永廣が強調するのは「使う人の立場になって考える」ことだ。「建築家というのは、作ったものを押しつけてはいけません。一方で、間違った判断に対しては、誤りを正して最終判断をする。それがプロとしての責任です。とりわけこれからの時代は、建物を使う人との対話型の設計を進めていかなければならない。そう考えています」これはまた、チームをまとめるリーダーとして、日頃からメンバーにも伝えていることだ。「一人で考えていると、視野が狭くなってしまいがちです。そんなときは、施主や使う人の立場を想像して、複数の案を考えるように指示しています。なおかつ、自分の意見も伝えることができる。そんな人財を育てていくのが、現在の目標です。メンバーには常に、何でも相談してほしいと言っています」風や自然光を採り入れた設計にこだわる建築家は、チーム内の「風通しの良さ」にも気を配り、後進の育成に力を注いでいる。

※文中敬称略。所属・役職等は取材当時のものです。
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