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ライセンス・ビジネス業界
英 Bath Spa University Graphic Design /Illustration学部
IMG Japan ライセンシングコーディネーター ライセンシング ジャパン
谷口 瑞幸 (たにぐち みゆき)氏

2015年08月東進タイムズ掲載

キャラクターの生きざまを語りつぎ「セサミストリート」の世界をより身近なものへ

「セサミストリート」は誰のもの? 著作者の権利を守る「ライセンス・ビジネス」とはエルモやクッキーモンスター、オスカーにビッグバード――。世界150以上の国と地域で愛され続けている「セサミストリート」。「東進こども英語塾」のキャラクターとしても活躍中だが、彼らを広告に登場させるために英語塾を運営するナガセと、彼らの生みの親であるアメリカのNPO「セサミワークショップ」との間には「ライセンス契約」が結ばれている。英単語の「license」とは「許可」や「承認」といった意味。一般的に「ライセンス契約」とは、キャラクターなどの著作物の使用許可とそれに付随する権利を著作権者から得ることを指す。そうして、関連グッズの製造販売や英語塾のようなサービスの提供が可能となるのだ。「この仕事は、日常生活ではあまり聞くことのない世界だと思います。私自身もそうでした。もともとは『タンタンの冒険』のキャラクターが大好きで、それに関われる仕事がしたいという気持ちで、同作のライセンスを扱う会社に飛び込んだんです。そこで仕事のやりがいを知り、『タンタンの冒険』以外のいろんなブランドも手掛けていきたいと考え、IMGに転職したんです」そう語るのは、ライセンシングコーディネーターを務める谷口瑞幸だ。アメリカに本社を置くIMGは、浅田真央、錦織圭といったトップアスリートのマネジメント事業を中心に、スポーツ、ファッション、エンターテインメントなど幅広い分野で顧客のブランド価値を高める手助けを行うグローバルカンパニーである。谷口の仕事である「ライセンス・ビジネス」の草分けでもあり、その事業の始まりがプロゴルファーのアーノルド・パーマーのスポーツブランドの確立であったことは有名な話だ。四色の傘のマークをあしらった同ブランドは、いまや老若男女問わず人気のファッションブランドとなっている。ブランドのコラボレーションでブランドの世界を広げるそして現在、IMGは日本における「セサミストリート」の代理人としてキャラクターたちの管理運営を任されている。「キャラクターは生きている」と考える同社では、英語教育番組というカテゴリーから「セサミストリート」を飛び立たせ、従来にはない新たな価値を生み出そうとチャレンジし続けているのである。例えば、人気ファッションブランド「アベイシングエイプ」とのコラボレーションや、ユニクロとの提携などがそれだ。つまりそれだけ「セサミストリート」にはまだまだ未知の可能性がたくさんあるのだ。谷口も、日常のリサーチからビジネスを生み出したことがある。「あるとき、とても素敵なネイルステッカーを見つけたんです。さっそく製作会社に電話をして訪問したら、とても小さなオフィス。それでも先方にお話しをしたら、検討しますと言っていただけました。ところが契約を締結しようとしても、思うように話を進めることができませんでした。このときは本当に途方にくれました(苦笑)」それでも谷口は、諦めなかった。十代二十代の女子にとって、ネイルは一番取り入れやすいファッションだ。しかしそれだけではなく、そのネイルステッカーがセサミストリートの世界観にマッチしているという確信が、谷口にはあった。「そこで、上司に同行してもらい、先方の社長に直接お話を聞いていただくことにしたんです。そうしたら、とても大きな可能性を感じていると仰っていただけました。それどころか、SHIBUYA109で期間限定のポップアップショップを開きましょうというお話にまで一気に発展しました」一つひとつのアイテムへのこだわりと、意志決定者へのトップアプローチにより、谷口は新しいビジネスを形づくり、「セサミストリート」の世界を広げる一翼を担った。「セサミストリート」45周年フェアから更にブランド価値を高める現在、谷口に求められているのは、「セサミストリート」というブランドを日本にさらにしっかりと根づかせることである。そのためには、緻密な戦略を要する。グッズ一つを取ってみても、どのような商品が好ましいのか。どういった場所で販売すればよいのか。誰に買ってもらうのか。これらの要素を著作権者のセサミワークショップと話し合いながら決めていく。それだけではない。グッズの製造業者の選定と交渉、さらには、品質管理や売上の推移などにも目を配る。その過程で、仕事の醍醐味を感じると谷口はいう。「セサミストリートの場合は、アパレルやフィギュア、出版物等、関連グッズはさまざまな分野にまたがります。ですからいろんな業界の方との接点ができる。その中での新しい発見が常にあります。また、教えてもらうばかりではなく、自分なりに考えて提案することもありますね」例えば、エルモのフィギュアを製作することになったとする。そこでもし、あの独特の鼻の形を忠実に再現するのが技術的に難しいとわかったら、別の手段を模索する。それでも難しい場合は、セサミワークショップに相談して打開策を探る。著作権者と使用者とがWin-Winの関係になるように「橋渡し」するのが谷口の役割だ。「ちょうど今、日本橋髙島屋を皮切りに、セサミストリート45周年フェアを開催しています。その実現に向けて、セサミワークショップ側も強い要望があり、一方の髙島屋さんにもこのように作り上げたいという希望がありました。双方の考えを汲み取りながら、より良いものを作り上げるのが、我々の仕事です。やり遂げたときの達成感を想像するだけで、今からとても楽しみです」自分が生み出した企画やアイテムが世に出たときには、すぐに販売店まで出向いて写真を撮ってくるという谷口。キャラクターへの「好き」という強い気持ちが「仕事」に直結する。「自己実現」と「仕事」とがWin-Winの関係となっている谷口の姿は、まさに「憧れの職業」だ。

※文中敬称略。所属・役職等は取材当時のものです。

	
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